【生きるということ②災害時の声のかけ方】3.11の大津波で命を救い、世界の100人に選ばれた日本人医師からのメッセージ〜PODCAST VOL77:Message from a doctor who survive the Tohoku Tsunami and was chose as “The TIME 100! The most influential people”

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Dr Kanno survived the Tohoku 3.11 Tsunami and saved and lost many patients at the same time. He got chosen as the Most Influential 100 People by TIME in 2011! On Podcast episode Vol 77, he has shared very valuable messages and wisdom on how to prepare for the imminent disaster such as earthquakes and tsunami and how to communicate with each other when we feel weak and hurt after experiencing a disaster or during this unprecedented time.

皆さん、こんにちは!Sayuriです。

何かと忙しい12月、お元気ですか?
私は大分歩けるようになって、回復しています!
温かいメッセージを送ってくださった皆さん、ありがとうございます!

スープを飲むときに、前かがみになるような姿勢ってありますよね!

それができなかったので、くしゃみも、咳も、座ったり立ったりすることも大変だった先月と比べて、日常生活が普通に送れる幸せを噛み締めています!
自分でいくつかの検査と診察を組み合わせて調べ続けて落ち着くまで、1ヶ月かかりました。

自分の体や健康を守るだけでも、調べる力、判断する力となるクリティカルシンキング力は、本当に重要だなと改めて身にしみています。

そして、今回のエピソードにもつながりますが、身体も心も弱っているときに、温かい声をかけていただけるだけでどれだけありがたいか・・・

クリスマスから年末年始にかけて、大切な人と話す機会をしっかり作って、ぜひ温かい時間を皆さんも過ごしてくださいね!

直接交流があった方には、クリスマスプレゼントもそろそろご自宅にお届けできる頃だと思いますので、楽しみにお待ちください。

🧡UPDATE お知らせ🧡

そして、
書籍「ハッピーママハッピーライフ〜思いっきり子どもと一緒に人生を楽しもう」が、Kindle Unlimitedでも配信スタートしました。

Kindle Unlimitedを使っている方は、無料でお読みいただけますので、「命と向き合う体験談」として、少しでもエネルギーになれたら嬉しいです。

また、この番組を聞いてくださっている皆さんにはメッセージのプレゼントとして、2回に渡って素晴らしいゲストをお迎えしてお届けしています。


🎧今回77回目のエピソードでは
Podcast Vol77 【生きるということ】
3.11の大津波で命を救い、世界の100人に選ばれた日本人医師からのメッセージ

というテーマで、
東北大学病院の医師、菅野武先生をゲストにお迎えして後半をお届けしていきます。

後半のエピソードでは、

✔︎ 相手の気持ちを配慮した「声のかけ方」や「コミュニケーション」

✔︎ 非常時の言葉の使い方

✔︎ 災害対策として何を準備したらいいか

などについて

菅野先生にしかできない、ハッと気づきがあるような大変貴重なアドバイスをいただいています。

収録後にリラックスされた菅野先生が、本音もこっそり教えてくれました。

 

Q6)非常時に、相手の気持ちを配慮した声のかけ方や、コミュニケーションについて、アドバイスはありますか?
(被災した時や、病気の時、傷ついた時はとても心が弱っていると思うので、声かけの方法がとても重要なポイントではと感じています。)

菅野先生 A6)

✔︎ 菅野先生ご自身も、言われて一番傷ついたのが「わかります」という言葉
✔︎ 同じ体験をしていないから、わかるわけがない
✔︎ 自称カウンセラーのような人が街にたくさん訪れて、避難所で困って転がっている人に
「大変でしたね、わかりますよ」と言ったら、みんな怒っているんです
✔︎ 本当に相手の心が弱っている時に、「わかります」という言葉は本当に傷ついた言葉の一つ
✔︎ そこから、医者と患者の関係の中でも「わかります」という言葉は禁句になりました
✔︎ 「わかります」という言葉は一人称になっている
✔︎ 「そんな簡単な体験ではないし、この時間では語り尽くせないんだよ」と感じる
✔︎ 傷ついた人に向き合う時には「自分はわかってあげるところまでいかないかもしれない」
✔︎ その上で、困っていることを一緒に探す姿勢
✔︎ また、「何に困っているんですか?」という言葉も結構あったけれど、すごく大変
✔︎ 本当に困っている人は、「何に困っているかもわからず動けない」でいる
✔︎ 何に悩んでいるかもわからない時は、「追い詰められるように感じる質問」
✔︎ 逆に嬉しかった言葉は、避難所で生活をしていた時に、大学の同級生が千葉と北海道から駆けつけてくれた時にかけてくれた言葉
✔︎ 街のためではなく「菅野武を助けるためにきた!」と言ってくれた、こっちを向いてくれていたんだなと思ったときに、嬉しくて涙が出た
✔︎ 上滑りではだめ
✔︎ 行動と、時間的な連続性を持って「あなたのために何かがしたい」という言葉が響く

Q7)前半では、垂直避難時の準備について、アドバイスをいただきました。
災害を想定した、非常時のために準備しておくべきことは?

A7)
✔︎ 前半にいただいたアドバイスは、垂直避難の可能性が今後増えるため、それに備えて物資を準備
✔︎ 普段から、色々話せる友達を増やすこと
✔︎ いろんなツールが出てきていて、災害の情報が行政からきたり、ハザードマップもあるけれど、
「これがなかったらダメ」というものを作ると、それがなくなると動けなくなってしまう
✔︎「あればあれば大丈夫」という発想を一回やめる
✔︎ 私と周りの人たちは、どういう風に生きているかを折々に思い出すだけで十分災害対策になる
✔︎ 知っている人と繋がる機会をたくさん作る
✔︎ 「自助・共助・公助」のうち、日本では「公助が足りない」とよく聞きますが、世界的に見るとしすぎている
✔︎ 自分はどうやって生きているかを見直すこと
✔︎ 例えば、お薬を飲んでいる方だったら、どんな病気を持っていて、どういう介入を外からされていることを知って、責任を持つことが災害対策
✔︎ ネットのニュースでの正誤判断も難しいので、すぐに判断するのではなく、一歩引いてみて専門家や詳しい人に確認するなど

Sayuri「人と人との交流、コミュニケーションってやっぱりとても大切ですね!」

菅野先生「もう、そこに尽きると思います。」

Q8) 想定外のハプニングが起こった時の、咄嗟の判断はどのようにできるようになりますか?

A8)
✔︎ 自分の中のプライオリティを持っているかだと思います
✔︎ 何を大切にしたいのか
✔︎ 僕は、家や車ではなく、「大切な人に生きていてほしかった」から、そういう行動につながった

Q9) 日本人医師としてのこれからのヴィジョンは?

A9)
✔︎ ご縁があり、カナダ・ハミルトンに留学していたときに、移民国家でジェンダーダイバーシティーにしても寛容なところを体験された
✔︎ シティズンの医療費は無料というところを見て、平等と公平は違うと感じた
✔︎ 同じものを分配すればいいのではなく、その人に沿った支援が必要
✔︎ 一人一人に沿った適切なサポートがあれば、みんな手を取り合うことができる
✔︎ 日本は均質な集団で、色々あっていいという寛容さが低い
✔︎ 色々な人がいる社会だから面白い
✔︎ 医師としてというとずれるかもしれないけれど、命の側に立っているものとして、いろんな命があっていいということを大切にしていきたい

Sayuri「この番組で大切にしている”アイデンティティー”というキーワードとも繋がっているなと感じました。

菅野先生「アイデンティティーは孤立したものではなく、私とあなたがいることで私がある。
アイデンティティーは相手とのコミュニケーションがあって成り立っていんですよね。」

Q10) リスナーの皆さんへのメッセージをお願いいたします。

菅野先生
「大変な思いをしている人たちはまだまだいます。
街も、インフラ整備は進みましたが、新しいコミュニティーづくりは、高齢者になればなるほど容易ではありません。

10年というのは一つの区切りになるので、また改めて東北という地域に目を向けていただき、もしよければ、足を運んでいただければ嬉しいです。地の美味しいものがいっぱいあるので食べていただき、私たちと皆さんがつながっているというところを感じていただけると嬉しいです。

知らない他人ではなく、同じ大きな家族の中の一人が傷ついて涙しているということを、10年ぶりに思いだしてもらえたら、とても嬉しいと思います。」

<オフレコの対話>
〜本編を収録した後、リラックスされた菅野さんが本音を伝えてくださいました。
菅野さん、安達さんの了解を得て、配信をさせていただけることになりました。

音声で大切な声をお聴きいただければ幸いです。

お二人のご好意と、ご多忙な中お時間をいただき、辛い体験を心を込めて共有して下さったことに、心から感謝いたします。

本当にありがとうございました。

Q) 今回のエピソードから、どのようなことを感じましたか?
メッセージをいただけましたら、菅野先生にもお伝えいたします。

Love
Sayuri